鑑定は心して

先月、一枚の葉書が届きました。平成12年ですから20年ほど前に何度か鑑定した方からの便りです。

遠方に引っ越しをされてからは疎遠になっていましたが、かつては御自宅にも招かれて御家族全員の鑑定をさせていただいたことのある方です。

時候の挨拶に加えて少し気になる文面がありましたので記載されていた番号にお電話しました。

久しぶりに耳にするお声でしたが、以前とまったく変わらないお声で、挨拶もそこそこにすぐに気になる文面の内容についてお話をしました。

ひとしきりお話したあとに、「私、もう55になりましたよ」とおっしゃったので、18年の歳月を一気に実感することになりました。

会話しながら私の脳裏にうかんでいたお顔は30代の彼女でした。

あの頃40代だった私も60をすぎているのですから、彼女が50代になっているのは当然のことです。

小学生だったお子様たちも成人されているとのこと、それも当然のことです。ある業界で活躍されていた御主人も元気で頑張っていらっしゃるようで安心しました。

電話での会話も終わろうとした頃に、「20年前に鑑定していただいたときに言われたこと、それをいつも心に刻んで生きてきたんですよ」と告げられドキッとしました。

「20年前に私、なんといいました?」とおそるおそる尋ねてみました。

「あの時、私のこれからの生き方について、〇〇〇と言われたんですよ」という彼女の答えを聞いてホッとしました。

間違ったことは言ってなかったと思ったからです。今、鑑定しても同じような内容を口にしたことでしょう。


「あの時、こう言われました」、鑑定してから5年後、7年後、10年後にときどき耳にする言葉です。それは鑑定することの怖さを感じる言葉です。

先日も定期的にお会いしている方から「7年前、はじめて鑑定してもらったときに〇〇〇とおっしゃったじゃないですか」と言われ、やはりドキッとしました。

続けて「正直、あの時はピンときてなかったんですけど、最近になってホントにそうだと納得するようになりました」


鑑定は心してせねばなりません。鑑定のときに発した言葉は消えないのです。