4年ぶりの鑑定

「今後のことが心配なのでみていただけませんか」と予約の電話をくださった方は、4年前に何度か鑑定をした方でした。実に運のいい方で「あなたは鑑定の必要がない人ですね」といったくらいです。

4年ぶりにお会いして近況をうかがうと相変わらず人生全般が順調で具体的に困っていることはなさそうでした。

人生全般といいますのは、まず御家族にこれといった不調和はなく、御主人も御本人の仕事も好調、お子様たちもそれぞれ立派な企業や大学で頑張っておられる、

今のところ経済的に困る要素はない、みなさん健康でいらっしゃる、もちろんこれらがすべて順調でも幸せではないと主張される方もいらっしゃいますが。

「今後の何が心配なのですか?」とお尋ねすると「あと3年で定年を迎えるのでそのあとのことが、、、。」と。

しかし彼女のキャリアであれば60歳で仕事が終わるとは考えられません。また65歳で仕事をやめたとしても多彩な趣味をお持ちの方なので、むしろ今よりもっと生き生きとされるはずです。

いろいろと話しをしていくなかで彼女が将来に不安を抱いた理由がわかりました。4月に彼女のいるチームに異動できた後輩がオフの時間に姓名判断をしてくれたらしいのです。

前から交流のあった後輩らしいのですが「私、姓名判断の教室に通って勉強したんです。〇〇さんの名前、鑑定させてください」といって。

そして「〇〇さん、これから大変ですよ。晩年運が相当悪いです」と言われたそうなのです。

姓名判断を勉強したばかりの方にときどきみられるタイプです。勉強することによって、何かすごいことがわかるようになったと錯覚するのです。そしてきついことをバンバンいってのけるのです。

「晩年運が相当悪いです」に続けて後輩が発した言葉はもっとすごい内容でした。

素人だとはわかっていても、鑑定できると自信をもって言われると気になるのが人の心です。

話をきけば後輩の方が勉強した姓名判断の流派は見当がつきます。まず後輩がなぜそのようなことを言ったのかを解説し、そしてなぜ後輩の鑑定は気にする必要がないのかを詳しく説明しました。

説明をすると理解する能力が高い彼女はスッキリした表情になり、その後は彼女のプロ級の趣味の話で盛り上がりました。

しかし素人鑑定士の恐れを知らない鑑定は威力があります。これからも彼女を一刀両断するような言葉を浴びせる可能性があります。

二度と後輩の鑑定につきあわないように、しかし防御を突破され不安というダメージを受けたらすぐに連絡くださいと伝えて、4年ぶりの鑑定を終えました。

不安を抱きながら生きることは運勢上好ましくないからです。