南国宮崎

数年前に気分を変えたいという漫画家に「宮崎に行ってみたらいいのでは」と、宮崎行きを提案いたしました。

「どうして宮崎なんですか?宮崎のどこがいいんですか?」と問われ

「宮崎の空の色と透明感のある日の光がいいんですよ」そしてなにより「手軽に南国気分が味わえますよ」と答えました。

かつて新婚旅行といえば宮崎という時代があり、明治41年の避暑地ランキングでも伊豆などをおさえて宮崎は堂々の第一位。その魅力は近年さらに増しているのです。
東京からおよそ100分のフライトですが宮崎空港に降り立つとそこはもう南国なのです。

空港を出て青島・日南のほうに行っても市内のほうに行っても道路の中央エリアに背の高い椰子の木が立ちならび、またフェニックスもあったりで南国リゾートの気分が味わえるのです。サーフィンも盛んで昨年世界大会も開催されました。

空港を出てすぐにこのような非日常の景観を楽しむことができるところは少ないと思います。残念ながら日本各地の空港を出てからの景色は画一的であることが多いのです。
特に日南のほうに車を走らせるとすぐに亜熱帯の植物に覆われた青島があります。そして堀切峠からの海の絶景があります。

そのまま日南海岸の海の景色を満喫しながら南下すれば野生の馬といっていいほどに自然のままに放牧されている御崎馬岬馬)と出会える都井岬があります。都井岬から眺める海はまた格別です。

海を離れると坂本龍馬が妻お龍と登ったという鹿児島との県境にある高千穂峰、えびの高原、生駒高原、高千穂峡、日本最大級の照葉樹林が広がる綾町、スキー場もある五ヶ瀬、

さらに宮崎は天孫降臨の地で古事記の上巻の三分の二は宮崎が舞台になっているほどの神話のふるさとでもあります。

佇まいは素朴ですがシーガイア近くにある江田神社イザナギノミコトが禊(みそぎ)をしたことで知られる禊発祥の御池があります。

また祝詞で奏上される「かけまくも畏み伊邪那岐の大神、筑紫の日向の橘の小戸の檍原(阿波岐原)に禊ぎ祓えたまいしに~」の「小戸の檍原(阿波岐原)」もこのあたりで祝詞発祥の地とも言われています。

神話の天岩戸の舞台となった天岩戸神社もあります。

澄みきった青い空、透明感のある太陽の光、青い海、山、そして神話のふるさと、それが気分転換と創作のヒントに宮崎をおすすめした理由です。

さらに「食も充実しています。地鶏の炭火焼き、宮崎牛、チキン南蛮、日向灘の伊勢海老、きびなご、カツオ、マンゴーはもちろんですがキンカンがすごいです。宮崎のキンカンは高級フルーツの味なんです。さらに肉巻きおにぎり、なんじゃこりゃ大福、幻の焼酎といわれた『百年の孤独』も宮崎の黒木本店さんですよ」

宮崎出身でもない私の宮崎話につられて漫画家が気分転換の旅に宮崎へ出発したのは一週間後でした。