社名の由来

一昨日、20代の営業マンが訪ねてきました。用向きは社名について聞きたいということでした。彼が勤務する会社の社名を命名させていただいたのは25年前のことです。

 

彼の担当エリアに私の自宅があり、私が社名の名づけ親だと社長から聞いて興味をもったそうなのです。以前から自分が勤務する会社の社名の由来を詳しく知りたいと思っていたということでした。

 

まず、創業年数とほぼ同じ年齢の営業マンに25年前に創業した社長の思いをお話しました。大河の一滴といいますように、すべての会社に創業の一歩目があります。その創業の物語を知ることは大事だと思います。

 

それから漢字を用いた社名の由来、意味について詳しく説明をしました。説明を真剣に聞いている彼の心にいくばくかの高揚感が生じているのが伝わってきてついつい熱が入ってしまいました。


社名を適当につけることはありません。社名には創業者の思いが込められているのです。

 

たとえば「モスバーガー」。
MOS」は「Mountain(山)」「Ocean(海)」「Sun(太陽)」の頭文字です。

「山のように気高く堂々と」「海のように深く広い心で」「太陽のように燃え尽きることのない情熱をもって」がモスバーガーの創業の理念なのでしょう。その思いが社名に込められているのです。

 

「ワコール(Wacoal」は創業時の名前は「和江商事」。創業者の出身地は滋賀県です。

滋賀県はかつて近江という国名でした。近江はまた江州ともいわれていたのです。「江州に和す」が社名の由来だそうです。「和江の名を永遠に留める」から「和江留(ワコール)」。


オムロン」は京都の仁和寺ゆかりの「御室(おむろ)」に由来する社名です。

 

今の時代からは想像ができないほどに貧弱な食生活をしていた日本人に「カルシウム」と「ビタミンB1」を補うお菓子を提供しようと立ち上がったのが「カルビー」。

 

「キャノン(Canon)」が観音様の「観音(かんのん)」に由来する名前であることはよく知られた話です。創業者が熱心な観音様信仰をもっていたからでした。