一富士・二鷹・三茄子
NHKの「ブラタモリ」、この番組はときどき見るのですがタモリさんの地質に関する博識と目利きの鋭さにいつも驚かされます。そして今まで地質についてあまり関心がなかった自分の不明を恥じることが多々ある番組でもあります。
東アジアの都が風水によって選ばれていることから四神相応などの地形には注目してきたのですが、その地形をつくった地球の動き、そこから生じた地質には目を向けてきませんでした。
世界遺産にもなった平泉がなぜ栄えたのか、金があったことが大きいのですが、なぜこの地域は金がとれる地質なのか、などもブラタモリで知りました。
昨年、初夢スペシャル「富士山・三保松原」と題して、一富士・二鷹・三茄子のルーツを探る内容が放映されました。
番組の進行はいろいろと興味深い流れがありましたが、結論は徳川家康が「まず一に高きは富士なり、その次は足高山(愛鷹山)なり、その次は初茄子」と言い表したからということでした。
「神君駿城に御座ありし時」の話として伝わってきたようです。
三保松原から眺めた風景から「一に高きは富士山、その次は足高山(愛高山)」と家康がいったそうなのです。テレビですから富士山と足高山(愛鷹山)の映像がでますので“なるほどと納得してしまいます。
もちろん家康は鷹狩りが趣味でしたが二鷹は鳥の鷹ではなく山の名前だったということでした。
三茄子も家康が三保産の茄子好んで食べたところからきたようです。
「折戸茄子」と呼ばれている三保の茄子は土壌の性質からハウス栽培がない江戸時代に通常より1~2ケ月はやく収穫できて家康に500個献上していたそうです。
その値段が5個で1両。今でいえば10万くらいでしょうか。三ツ星の高級レストランでも茄子1個2万でだすところはないと思います。
それくらい三保の初茄子は高価で美味だったようです。この話が様々な形で伝聞され「一富士・二鷹・三茄子」となったのでしょうが、ブラタモリを見てなるほどこれは縁起がいいなと思いました。
もちろんブラタモリですから三保半島がどうやってできたのか、このあたりの山が100万年で300メートル隆起してできたので、300万年後には3000メートル級の山になる、など地殻変動や地質の話がバンバンでてきます。
また三保松原近くにある久能山東照宮は日光東照宮はじめ全国にある東照宮の創祀であることもはじめて知りました。
番組全体を見終えて「一富士・二鷹・三茄子」はまことに縁起のいいことだと思った次第です。